【Two's a soldier】―迷いと決心―
「ねぇ....」
ソファに座っていた怜津が呟いた。
「本当に俺達が【選ばれし戦士】なのかな....。」
「急に何だよ怜津。」
「だ、だって...」
怜津は不安そうな、そんな顔をしている。
何かあるのだろうか。
「俺が【戦士】だなんてありえないよ。」
「何でたよ。【戦士】じゃなきゃ、ここには来てないんだろ?」
「それは....そうかも知れないけどさ。」
「じゃあ、何でたよ?」
「だって...俺が戦うなんて無理だよ。怖いよ。」
あぁ。そう言う事か。
こいつは。
怜津は。
自分の性格を気にしている。
「そんなの気にしてどうするんだよ。」
「姉ちゃんは強いから言えるんだよ....。俺は.......」
「『俺は』なんて二度と言うな。」
「え...。姉ちゃん.......?」
「なぁ、怜津。」
「な、何?」
「俺達は...どんな関係だ。」
「え......姉弟だけど..。」
「そうだ。姉弟だ。」
「だから...何?」
「怜津が出来ない訳がない。」
「...なんで言いきれるの。」
「姉ちゃんだから。姉ちゃんが怜津が強いの、知ってるから。」
「...アハハ、何それ。」
「怜津なら大丈夫だよ。」
「...うん。任せて?俺が姉ちゃんを守るから。」
「お、頼もしい。なら、いつ姉ちゃんが命を狙われても大丈夫かな?」
「止めてよ縁起の悪い!!」
「あははっ!冗談だって!!」
「もー...。」
「…大丈夫だよ。」
「うん…姉ちゃんがいつもより優しい…。」
「どういう意味だよ、怜津!!」
「あっはははっ!!」
「私は、守れるだろうか…。」
ここは、大広間。
今は、誰もいない。
「また、大切な人を無くしたりしないだろうか…。」
“彼”以外、誰もいない。
「…どうか、守れますように。」
「私の大切な人を。」
「この手で。必ず。」
「ったく…そんなに考えなくても…。」
また、“彼”も大広間の扉の前にいた。
「必ず、守ってみせる。」
「俺が、この手で。」